旧約聖書が読みたくなる!「福音の再発見」スコット・マクナイト

旧約聖書が読みたくなる!「福音の再発見」スコット・マクナイト


少し前に読んだ本が「目から鱗!」だっただけでなく、「旧約聖書が読みたくなる!」内容でしたのでシェアします。

本のタイトルは「福音の再発見ーなぜ“救われた”人たちが教会を去ってしまうのか」(スコット・マクナイト著)です。

 

 

【著者】スコット・マクナイト

アメリカを代表する新約聖書学者の一人であり、イリノイ州にあるノーザン神学校教授でもある。世界各地での公演活動と共に、イエスの研究の分野の権威者としてテレビ、雑誌、新聞等のメディア等に対するコンサルティングも行う。

 

【本書の内容】

「本書を通じて私が強く主張するのは、われわれ福音派の者は(全体として)、使徒的な意味での「福音派(evangerical)」ではなく、むしろ「救い派(soterian)」になっているということだ。なぜ私はそう言うのか。それは、われわれ福音派の者は、「福音(gospel)」という言葉を「救い(salvation)」と言う言葉と(誤って)同一視してしまったからだ。だから私たちは本当のところ、「救い主義者(salvationists)」なのだ。われわれ福音派の者が、「福音」という言葉をみると、本能的に(個人の)「救い」を思い浮かべる。私たちはそのような思考になってしまっている。しかし、この2つの言葉は、同じものを意味するのではないのだ。本書では、その違いを分かりやすく提示したい。」(P34より)

 

福音派の私たちの多くは、「福音」=「救い」という感覚を持っています。

本書は言います。「救いは福音から出てくるものだ」と。

本書は「福音」を定義するにあたり、4つの大きなカテゴリーを区別する必要があるとしています。↓

・イスラエルの物語/聖書の物語 

・イエスの物語 

・救いの計画 

・説得の方法 

 

福音の再発見

 

↑著者は「福音」を説明するのに上の図を使って、次のように言っています。

 

「これらの4つのカテゴリーは互いにつながっており、1つの上にもう1つが積み上げられて行くべきである。基礎となるのは「イスラエルの物語」であり、それを土台にしてこそ「イエスの物語」は意味をなす。「救いの計画」は、「イスラエルの物語」を土台にした「イエスの物語」があればこそ、そこからでてくるものであり、「説得の方法」は「救いの計画」から生まれる。」(P 43より)

(各カテゴリーについての説明はP43~55を参照)

 

本書の副題は「なぜ救われた人たちが教会を去ってしまうのか」ですが、その原因として著者が考えているのが、『「福音」が本来の意味と力を失ってしまった』ということです。つまり、私たちは、下の図のように「イスラエルの物語」と「イエスの物語」を残りの2つの概念、「救いの計画」と「説得の方法」の解釈のもとに押し潰してしまったのです。

 

 

図で表現されているように、これまで「救いの計画」と「説得の方法」があまりにも強調されてきました。この2つが「イスラエルの物語/聖書の物語」を潰してしまっていて、「福音」そのものを見えにくくしていると著者は主張します。

 

「今日、大勢のキリスト者が旧約聖書の物語にほとんどまったく無知であるという現実ほど、それを如実に表すものはないだろう。今日、大勢のキリスト者が旧約聖書を知らないその理由の一つは、彼らにとって「福音」が、旧約聖書を必要としないからである!」(P56より)
「今日、大勢のキリスト者が旧約聖書の物語にほとんどまったく無知であるという現実ほど、それを如実に表すものはないだろう。今日、大勢のキリスト者が旧約聖書を知らないその理由の一つは、彼らにとって『福音』が、旧約聖書を必要としないからである!」(P56より)

 

以上が本書の簡単な内容です。

 

【感想】

私の場合、シンプルに「旧約聖書もっと読まな!」(読みたい!)と思いました。(汗)

本書全体が主張しているのは、「救い」(信仰による義認)だけが「福音」なのではなく「救いは福音から出てくるものだ」ということです。そして、(この表現は本書に何度も出てきましたが)「福音」は「イスラエルの物語の成就としてのイエスの物語」ということです。著者は「いかなる福音の宣言も、良い知らせを『良い』ものにしたいのであれば、聖書の物語を語らなくてはならない」(P 81)とも、「『救いの計画』を通して福音を見ることで、福音の土台を省いてしまうことが良くある」(P 82)とも言います。

4つの福音書(gospel)には何度も旧約聖書の引用が登場します。「聖書に書いてあるとおりに」(Ⅰコリント15章)イエスが死なれ、よみがえらたことを宣言するために、旧約聖書をもっと読みたい(理解したい)と思います。

 

【終わりに】

大ヒット映画「ダークナイト」シリーズの監督クリストファー・ノーランはインターネット嫌いを公言しており、その理由としてインタビューで「ネットのせいでみんな本を読まなくなった。書物は知識の歴史的な体系だ。ネットのつまみ食いの知識ではコンテクストが失われてしまう」と語っています。ダークナイトシリーズをよく見ると聖書の物語を彷彿させる場面がいくつかあります。クリストファー・ノーラン監督が聖書を読んでいたのかは分かりませんが、聖書には私たちにとって本当に必要な「歴史」(History)が記されています。確かに私たちはネットよりも「本の中の本」聖書に親しむべきです。

History(歴史)という言葉は、「His +Story」というように、「彼の(His) 物語(Story)」と分解できますが、ここで言う彼とはイエスキリストではなくて誰でしょうか。人類に最も必要とされている「イエスキリストの物語」をコンテクストの中で理解するのに旧約聖書は必要不可欠です。

「旧約聖書をもっと読みたくなりたい!」クリスチャンの方には、今回紹介した「福音の再発見ーなぜ“救われた”人たちが教会を去ってしまうのか」(スコット・マクナイト著)オススメです。ぜひ一読ください。

 

 

THANK YOU FOR READING.

 


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伊藤 走

伊藤走(イトウソウ) 一番好きな歴史上の人物はイエスキリスト