シュトレンの形はイエスキリストをあらわす?!

シュトレンの形はイエスキリストをあらわす?!【DAY7】


ジェイコブコーヒー物語 第7話 クリスマスイブイブ

「キリスト教はイエス様よ!イエス様がすべてよ!」

約5ヶ月前、サラが私に宣言した時、(第6話)私はそんなに嫌悪感を覚えなかった。初対面でいきなり「イエス様よ!」「イエス様がすべてよ!」と連呼されたら嫌悪感を覚えるという人も少なくはないだろう。
 
私が出会ってすぐ「イエス様よ!イエス様の愛よ!」と言われてもサラに好感を持てたのは、なぜだろうか?
 
きっと、サラは正論で私を納得させようとしていたのではなくて、「本当にあなたにイエス様が必要なの」という思いで「イエス様よ!」と言っていたに違いない。つまり、サラの宣言の動機は聖書の言う「愛」だったに違いない。そのことがサラの表情や態度を通して私に伝わったのだと思う。自分に正直になってもう一つ付け加えるとすれば、サラはあまりにも美しかった…
シュトレンの形はイエスキリストをあらわす。
神のなさることは、すべて時にかなって美しい。BIBLE
あの美しい夏の朝、親愛なるジェイコブは私に一枚の名刺のような紙をくれた。
 
そこには、こんなことが書かれていた。
YOU CAN PRAY.
 
神様。あなたが本当にいるのなら、私にわかるように助けてください。
 
「紙に書いてある通りでなくていい。どこで祈っても大丈夫。自分の言葉で祈ってみてほしいんだ。」ジェイコブは優しい目つきで私に言った。

その日、ジェイコブのことが大好きだった私は、自分の部屋のデスク越しの壁にその紙を画鋲でとめた。毎朝家でMacBookを開くたびに、その紙が目に入った。けれども、声に出して祈ろうとは思わなかった。

「誰もいない部屋で『神様。助けて。』なんて、声に出して祈るのは恥ずかしい。」

そんな風に考えていたのだ。誰も見ていないはずなのに…

「祈る」ことはしなかったけど、聖書は継続して読んだ。

毎朝、ジェイコブコーヒーへ向かう前に、新約聖書を読み込んだ。世界中で長年親しまれている名著「本を読む本」には「良い読者はツッコミをいれながら読む」ということが書かれている。何か腑に落ちないことや、意味のわからない所、聖書の「ツッコミどころ」は全てiPhoneにメモをとりジェイコブに尋ねた。ジェイコブはその度に、丁寧に教えてくれた。一緒に本を開いて考えてくれることもあった。ある時は、その書の書かれた当時の歴史的背景。ある時は、その書の目的は何であったのか、文脈はどうか、言語はどうか…様々な角度からジェイコブは説明した。

 

聖書を読み込んでいても、私はイエスキリストを神と認めることはできなかった。しかし、真剣に聖書を読んでいるうちにイエスキリストという存在に対して、なんともいえない親しみを覚えたのだった。

上記のような、

「家で聖書を読む。」→「ジェイコブコーヒーで朝食。」→「仕事。」

という生活がルーティンとなった。MacBook越しに垣間見えるジェイコブからのメッセージは無視し続けていた…

今日はクリスマスイブイブ(12月23日(土))。

仕事が休みなこともあり、ハッピーな気分でジェイコブコーヒーへ向かった。

「ただいま」と言える空間

「メリ〜クリスマス!」開店時間と同時に店に入ると、ジェイコブとラケルは笑顔で迎えてくれた。

店の中はヒートテック一枚だけでも過ごせそうなほど暖かい。ジェイコブは何時に起きて暖房のスイッチをONにしているのだろうか?そんなことを考えながら私は答えた。「メリークリスマス。そう言えば、明後日ですね!クリスマス。」

「そうですね。キリスト教のメインイベントとも言えるでしょうか。私もワクワクしています。明日はすごい1日になりますよ!私たちの教会では、午前中にいつも通り礼拝を捧げます。夜は隣町のスタジアムを貸し切ってイベントをするんです。」とジェイコブ。

「ええ。数週間前に、デイビットからLINEで誘われていました。120人にGOProが当たる抽選会を参加費無料で開催するなんてかなりクレイジーですね。実は、GOProがずっと欲しかったということもあって、イベントに参加することをデイビットと約束しています。」

ジェイコブとラケルは目を大きく開いて叫んだ。

「Wow!!Amazing!ハレルヤ!!!」

ジェイコブは続けて言った「カズキ!!よかった!デイビットからは聞いてないぞ!…そうかそうか、本当に嬉しいよ!カズキが教会に来るように、私たちはずっと祈っていたから!」

ラケルも言った「デイビットったら!わざと私たちに知らせないでサプライズさせようとしていたに違いないわ!カズキさん、神様はGOProよりも、もっと素晴らしいものをプレゼントしてくださるに違いないわ。主に感謝します!」

2人はいつになく嬉しそうな顔をしていた。一呼吸置いてラケルは続けた、「ところでカズキさん、今朝もバナナパンケーキセットにする?クリスマス限定メニューもあるのだけど。」

「そうですね。クリスマスイブイブですし…クワルクシュトレンとは何ですか?。」差し出されたメニューを見ながら私は答えた。

「普通のシュトレンは、小麦粉とバター、それに砂糖で作った生地の中にドライフルーツとかナッツをたっぷり入れて焼き上げるの。クワルクシュトレンはそれにクワルクチーズをプラスしたものよ。」とラケル。

ジェイコブはさらに解説してくれた「表面を粉砂糖で白く飾った形は、布にくるまれた生まれたばかりのイエス・キリストの姿を表現しているとも言われるそうですよ。」

「クリスマスシーズンにぴったりですね。では、クワルクシュトレンとコーヒーでお願いします。」

「コーヒーはクリスマススペシャルブレンドだ。」ジェイコブはグーサインしながら言った。

しばらく私は、ジェイコブがコーヒーをドリップしている様子をぼんやり眺めていた。途中、仕事中に見ていたまとめサイトに【クリスマスはイエスキリストの誕生日ではなかった?!】という記事があったのを思い出した。

私はジェイコブに聞いてみた。「『クリスマスはイエスキリストの誕生日ではなかった』というサイトをちらっとを見たのですが、それは本当なのですか?」

ジェイコブはクリスマスコーヒーを差し出しながら答えた「そうですね。キリスト教の土台である聖書にはイエスキリストが12月25日に誕生したとは書かれていません。」

少し間を置いて、ジェイコブは続けた「イエスキリストの誕生は、7月だという学者もいるし、9月だという学者もいます。12月がイエスキリストの誕生ではないと言う方の多くは、イエスキリストの誕生時に【野で羊飼いたちが番をしていた】という聖書の記述から、12月に野宿するはずがないというものです。ですが、イエスキリストの誕生した街ベツレヘムの12月の気温はそこまで低くなく、野宿は可能だったと考える方もいます。もしかしたら、イエスキリストの誕生は12月25日だったかもしれないし、そうではないかもしれませんね。」

「私の誕生日と一緒かもしれないわね。」ラケルがクワルクシュトレンを持ってきてくれた。「ちなみに私の誕生日は2月13日よ。大好きなシュークリームをプレゼントしてちょうだい♪と言ってるわけじゃないから安心して♪」

私たちは笑った。

クワルクシュトレンを食べていると、ジェイコブは続けた「クリスマスは元々は異教の祭りだったんだ。太陽神を祭る祝祭日だったそうだ。その異教徒にイエスキリストを伝えるためにできたのが今のスタイルのクリスマスなんだ。クリスマスの語源は、Christ(キリスト)とmas(ミサ=礼拝)。つまり、【キリスト礼拝】。とにかく、今のクリスマスの主役はサンタクロースではなくて、イエスキリストで間違いないよ!」

「なるほど、納得です。イエスキリストを伝えるためにクリスマスはできて、イエスキリストを礼拝することがリアルなクリスマスなんですね。ところで、このコーヒーはシュトレンによく合いますね!シュトレンに入っているチーズも相当こだわってい…」私が言いかけている時に、店のドアが勢いよく開いた。

「メリークリスマス!!!」そこにいたのは、真っ赤なロングコートに身を包んだサラであった。

THANK YOU FOR READING.

次回、最終回です。

【ジェイコブコーヒー物語 最終回 クリスマスイブ】

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伊藤 走

伊藤走(イトウソウ) 自称ハッピーな神学生